2013年2月3日日曜日

愛と感動の最終回を迎えたような気がするPC版「Fallout 3」の週刊連載,「荒野に咲いた一輪の花」第8回を

 まずい。得意ではないがメレーウェポンで応戦する。以前倒れている兵士の死体から取り上げた小型のチェーンソーのような武器を取りだして構える。スイッチを入れると耳障りな音を立てて歯が回転を始める。あたしはそれを刀を持った女のピンク色のワンピースの胸元に力一杯押し当てた。  じゅじゅじゅと肉を削ぎながら回転するブレードが沈んでいく。耐え難い感触が手に伝わってくるが,さらにぐっと力を込めて奥へと押し込む。しかし,Cloverは狂ったように刀を振り回すことをやめない。どうなってんだ? ブレードが女の胸からさらに腹の方へ,ぎゃぎゃぎゃぎゃと引っかかりながら降りていき,身体の前面から噴き出すものが二人の向き合った側すべてを真っ赤に染め終わると,アグ ブーツ,やっとCloverは倒れた。  はあ,はあ,はぁっ,。息があがる,ugg ブーツ。  Cloverの死体を身体から引きはがして蹴り倒し,目を向ける。  恐ろしい。これが選択の結果。ほかの可能性を摘み取りながらしか生きていくことができない現実に身体が震える。選ぶとはそういうことなんだ。ここでは選択をせずに生きていくことはできない。そして選択するということは,こんなにも恐ろしい。  ぬるぬるする顔と両手のひらを拭う。口に詰めたスナックをばりぼりかじり終えると,体力を回復させられる食べ物はほとんどなくなった。まだ足りないヘルスを,スチムの針を身体に突き立てることで補う。行動力を増すための「Jet」というドラッグもたどたどしい手つきで吸引する。  その間も,見張り台からのミニガンの連射は薄い衝立の向こう側を叩き続け,その音と空気の振動を感じるたびに胸がビクンと跳ね上がる。まだ,終わらないようだ。  こちらをのぞき込みながら拳悚驌膜盲皮い骏攻欹ぅ些`の一人に狙いを定め,撃つ。位置取りがうまくいって,数度のバースト射撃で首から上を吹き飛ばす。次! 看板の裏に一度隠れてリロードを終えて,やってきたターゲットを目視しようと身を乗り出すと,正面すぐ近くに立っている男がロケットランチャーをこちらに向けているのが見えた。  あ,これは本当にまずい。  すぐにV.A.T.Sを起動して撃たれる前に倒そうと試みるが,行動ポイントの自然回復が足りなくて殺しきれない。V.A.T.Sの効果が切れたところでミサイルを撃たれた。身体のすぐ横に着弾して爆発し,あたしの半身がつぶれた。  ……血が足りないのか目がかすむ。それとも目が見えないのはひどい爆煙のせいかもしれない
関連トピック記事:

0 件のコメント:

コメントを投稿